週休二日制の場合、休日は月に8回前後が一般的ですよね。ところが、タクシードライバーは月に18回と一般の倍以上、休みを組めるシフトもあります。それだけ多いと、タクシードライバーの休日事情が気になりませんか? そこで今回は、タクシードライバーに休日が多い理由、休日の主な過ごし方、タクシーという業種特有の休日の注意点を紹介します。
タクシー会社は、24時間体制で営業するのが一般的です。タクシードライバーの勤務シフトは、タクシーが営業時間に合わせてフル稼働できるよう組まれています。イメージとしては、24時間稼働する1台のタクシーを数人のタクシードライバーで代わる代わる受け持つ、というものです。そうしたことから、タクシー会社では変則勤務を採用しています。タクシードライバーの勤務スタイルは、主に3タイプ。昼日勤、夜日勤、それらを組み合わせた隔日勤務です。昼日勤は8:00~17:00、夜日勤は18:00~27:00、隔日勤務は8:00~27:00、というのが勤務時間の目安になります。
一般的には「隔日勤務をベース」として、勤務シフトを組むタクシー会社が多いといわれています。隔日勤務は日付をまたぐため、勤務終了日を「明け」として扱います。次回の勤務は明けの翌朝になり、再び日付をまたいで明けを迎えます。こうした隔日勤務のペースは労働基準法で定められているうえ、公休も発生するため「2出勤して1公休」というのが主流のスタイルです。つまり、隔日勤務をすれば月間で「明けが12日・公休が6日」になるため、非番の日が「18日間」発生します(1ヶ月30日で換算した場合)。
隔日勤務は休日が多い分、1回の勤務で20時間以上を要する長丁場でもあります。明けや公休で体を休ませることはできますが、たまには長期休暇で心身ともにリフレッシュしたいものですよね。そんなときこそ有給休暇です。原則として半年間以上の継続勤務で発生する有給休暇は、だれもが平等に使えます。また、公休と組み合わせれば長期休暇も可能です。タクシードライバーのなかには、公休と有給休暇を活用して「7泊10日の海外旅行を楽しんだ」という人も。
休日を利用して自分の趣味に没頭する人も多いことでしょう。また、同じ趣味を持つ人同士が集まれば、その場も盛り上がるものです。タクシー会社のなかには、そうした楽しみを共有できる「同好会」や「クラブ活動」を展開するところも多く存在します。アクティブな運動系、飲み会が大好きなワイワイ系、食通たちが集まるグルメ系など、参加することで趣味につなげることも可能です。
子育てをしている人にとって、平日休みは貴重な時間といえるでしょう。隔日勤務では平日が公休になる場合もあるので、授業参観への参加や幼稚園の送り迎えなどができます。夫婦で協力して子育てができれば、お互いの負担も軽減するほか、家族のつながりも深まるでしょう。
一方、近年は女性のタクシードライバーの採用が積極的です。タクシー会社によっては、育児と仕事の両立を目指すシングルマザーの活躍も多く見られ、「隔日勤務だから子どもと過ごせる時間が増えた」という人もいるそうです。
タクシードライバーのなかには、「休日はお酒とともに過ごすのがもっぱら」という人も少なくありません。また、タクシー会社の同好会に参加していれば、打ち上げなどでお酒を飲む機会も増えます。そうしたときに気をつけておきたいのが「飲酒量」です。タクシー会社では、乗務前後のタクシードライバーに対し、アルコール濃度の測定が義務づけられています。
アルコールチェックには基準値が設定されており、上回ったタクシードライバーはその日の乗務ができなくなってしまいます。そのため、タクシー会社によっては、アルコールチェック対策を強化しているところも。たとえば、乗務開始の9時間前の飲酒は認めたうえで、缶ビールは5本以内、日本酒は3合までなど、時間と量で制限を設けています。せっかくの休日ですが、ルールを守らなければ仕事に支障をきたしてしまうことに。休日の飲酒を楽しむには、節度にも注意したいところです。
タクシードライバーとして勤務すれば、休日が多いことはもちろん、平日休みや福利厚生を有効活用することができます。その反面、先に述べたとおり勤務日は長時間労働となるケースが多いため、休日に心身を休ませることが大切です。
ただし、乗務前のアルコールチェックの義務化など、タクシー業界特有のルールを理解したうえで休日を過ごすようにしましょう。ルールを守ることで、タクシードライバーやタクシー会社、お客さまの安全が保たれます。
仕事をするうえでメリハリは大切! 休日にはルールを守りながらしっかりとリフレッシュし、勤務には万全の態勢で臨みましょう。
参考:
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