タクシードライバーを知らない人はいないと思いますが、その仕事内容を詳しく知っている人はそれほど多くないのではないでしょうか。タクシーを運転してお客さまを指定の場所までお届けする。一見単純な作業のようですが、実はそのなかにタクシードライバー個々の夢や目標があり、また、さまざまな努力や業務の積み重ねがあります。日ごろ利用するだけではわからない、タクシードライバー業務の魅力について紹介しましょう。
タクシーは、現代社会において重要な移動手段のひとつであり、特に超高齢社会に突入している日本にとって、これからますます需要が高まる仕事のひとつといえるでしょう。お客さま一人ひとりに丁寧な対応をし、お客さまの足となり、また安全を第一に考え運転すること。そのために乗車前には車両点検をしっかり行い、自身の体調管理に努めて業務に携わっています。
タクシー会社では、タクシードライバーが運転に専念できるよう、ほかの業務に携わる従業員とうまく連携を取りながら仕事を進めています。またタクシードライバー自身は効率よく営業できるよう、日々の業務から経験を積み重ね、またお客さまへよりよいサービスを提供できるよう努めています。
では実際に、タクシードライバーはどのような流れで1日の仕事をこなしているのでしょうか? 朝の出社から帰社まで、タクシードライバーの仕事内容の一例を追いかけてみます。
仕事がある日は8時から始業です。出社をしてまずは出庫前点検をします。エンジンオイル、バッテリー、ウォッシャー液の点検など、これらは安全運転をするために欠かせない大切な作業です。アルコールチェッカーで体内にアルコールがないことを確認した後、始業点呼を受け、最後にお釣りの準備をしたらいざ出発、お客さまを乗せて営業を始めます。
昼食時間は自由に取ることが可能です。タクシードライバーにとって昼食、休憩時間は体調管理のためにも大切な業務。1日に合計3時間の休憩時間を取ることができるので、自由に好きなタイミングで休憩します。
終業時刻は午前2時。営業から戻ってきたら、納金し終業点呼を受け洗車すれば1日の仕事が終わります。
営業ルートは個人で決めますが、たとえば朝方はオフィス街へ向かうお客さまが多く、午後になると外回りの営業マンの利用があります。場所によっては空港へ向かうお客さまの利用が多いことも。また、深夜になると飲み屋街での利用が増えます。
このように場所の特徴によりタクシーの需要が多いところ、また時間帯によってお客さまが多いところなどがありますので、経験を積みながら現場の状況を把握し、営業に慣れていきます。業界用語では、空車で車両を走行させることを「流し」、ホテルや駅、ビルのタクシー乗り場に並ぶことを「付け待ち」ということも。
タクシードライバーは単独で仕事をしているのではありません。他部署の従業員と協力しあいながら安全運行を行っています。タクシードライバーを支えるのは、運行管理者と無線オペレーターです。運行管理者は、タクシードライバーの体調や勤務時間、給与の管理などを行い、また事故が起こった際の対応にあたります。一方、無線オペレーターは、お客さまからの外線電話を受けて、近くのタクシーを配車する仕事です。両者がうまく連携を取りながら、お客さまへサービスを提供しています。
お客さまの対応をしながら安全に運転するために、運転技術やマナーが必要になります。営業方法、交通の地理はもちろん、おもてなしの心得、また最近では英語力など、タクシードライバーに直接関係がないように思える分野も大切な技術要素のひとつです。
タクシードライバーにとって大切な運転技術は、まず安全に運転することです。荒い運転などでお客さまに不安を抱かせず、スムーズに運行することが求められます。
次に、地図が頭に入っていることも大切です。急いでいるためにタクシーを利用するお客さまや、行き方がわからずタクシーを頼るお客さまもいるでしょう。タクシードライバーの重要な役目は、よりよいルートで、いかに早く目的地にお客さまを送り届けることができるかどうかです。地図が苦手なタクシードライバーでは、お客さまのリクエストに応えられないかもしれません。そうならないためにも、自分の営業ルートにあたる地図を徹底的に頭に入れておくことが必要です。
タクシードライバーの業務は、運転であると同時に接客でもあります。お客さまが気持ちよく乗車できるようおもてなしの心を持ち、きちんとマナーを守って接することがとても大切です。
一見、街にあふれているタクシーですが、それぞれのタクシードライバーが、責任を持ってプロのドライバーとして働いています。世の中に役立つ仕事はたくさんありますが、タクシードライバーの仕事は身近で目に見え、多くの人に利用される有意義な仕事なのではないでしょうか。
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