タクシードライバーの地図の覚え方について、現役で活躍しているタクシードライバーの声を交えながら解説していきます。また、最近のタクシーはカーナビゲーションを搭載していることが多くなりました。また、しっかりした研修を設けている会社が多く、土地勘がなくても運転がしやすくなっています。その点をふまえながら、地図の覚え方などについて詳しく見ていきましょう。
タクシー運転手に道を効率良く覚えるためのコツを聞いてみると、「とにかく何度も同じ場所を走り、回数をこなすことで少しずつ覚えられる」といった回答が多く挙がります。ありきたりに思えるかもしれませんが、やはり実際に道を走って経験を積むことが、もっとも早い覚え方なのかもしれません。
その他に、「大まかな地図と詳細な地図を分けて記憶する」という方法もあります。住所をお客様に聞いたら、まずは大まかなエリアを頭に思い描きます。そのうえで、さらに大まかなエリアの中の、詳細な地図をチョイスするという覚え方です。エリアとは関係なく、よく似た街並みがあって頭が混乱してしまうことがあるでしょう。しかし、エリアごとの大きな地図と詳細な地図を分けることで、よく似た街並みといった印象による錯覚をなくすことが可能です。
これは処世術にも繋がることですが、「初めての道はお客様に教えてもらう」というのも1つの方法です。お客様に嫌な顔をされたり、お叱りを受けたりといったことを懸念されるかもしれませんが、意外にそういったことは起こりません。道に迷ってしまうのに比べれば、よほど良いのではないでしょうか。
また都市部では難しいかもしれませんが、高い山などのランドマークを頼りにして、方角や自分がいる位置を確かめながら道を覚えるという方法もあります。例えば京都では街が碁盤の目になっていて、東に比叡山がそびえ、北に鞍馬山があるので方角がよくわかります。また、交差点の名前は「北大路堀川」といったように交差する2つの通り名が入っているので、場所がすぐにわかるようになっているのです。
あるいは神戸なら、六甲山と瀬戸内海の間に細長く広がる街のため、道を覚えるのは簡単かもしれません。それぞれの土地によって、覚え方は変わってきます。
最近では、ほとんどのタクシーがカーナビゲーションを搭載しています。最近のカーナビゲーションは驚くほど高性能なため、安心して道案内に従うことができます。カーナビゲーションの指示を聞きそびれても、現在地を把握して正確に目的地にたどり着けるように指示を出してくれるでしょう。そのため、土地勘のない場所でも落ち着いて運転に集中できます。
ただしカーナビゲーションにばかり頼っていれば、いつまでたっても道を覚えられません。そのためタクシー運転手の多くは、頭の中の地図と照らし合わせながら走っているようです。そうすれば、次回からはカーナビゲーションに道案内をしてもらう必要がありません。
タクシー会社によって細かい内容は異なるものの、ほとんどの会社では約1カ月間の研修期間を設けて教育に力を入れています。トレーナーや指導教官が助手席に同乗して実際にお客様をお乗せし、行き先の確認するところから到着、そして、お客様を降ろして見送るところまで一連の流れを丁寧に指導しているのです。具体的な研修やフォローアップの体制については、各タクシー会社へ事前に確認すると良いでしょう。
なお、東京都心部のタクシー運転手は、公益財団法人 東京タクシーセンターが実施する地理試験に合格する必要があります。この試験では40問出題され、合格基準は32問以上の正解(正答率80%)です。地理試験に合格するレベルの知識があれば、あとはそれに詳細な地図を付け加えていくだけでほとんどの道を把握することができます。
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